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【独立開業】独立志望の会計士が監査法人のスタッフをやっていた頃の話〜初めての繁忙期について

開業

みなさん、こんにちは。今回は独立志望の私が監査法人のスタッフをやっていた頃の仕事内容、日々の生活ルーティーン(特に繁忙期を中心に)をご紹介していこうと思います。

公認会計士試験合格後、大手監査法人へ入社という王道コースで会計士キャリアを始めたことは前回記事でお話ししましたが、詳細を知りたい方はこちらをどうぞ。

「監査法人に入社したら初めにどんな仕事からするの?」、「監査法人の繁忙期って一体どれくらい働いているの?」といった疑問がある方は(ない方も)、ぜひチェックしてみて下さい。

監査法人のスタッフって?初任給はどのくらい?

公認会計士試験合格者が監査法人に入所すると、「スタッフ」の職位からスタートします。まだ経験が浅い職位であり、監査現場をサポートするため、確認状の発送・回収、開示書類の突合作業、固定資産や販管費のような比較的難易度の低い科目の検討を行うのがメインとなりますね。

入所したばかりではあまり高度な仕事は出来ませんので、1〜2ヶ月程度の研修を受けて、現場の補助作業をこなしながら仕事を覚えていきます。

高度な仕事は出来ないと言いつつ、初任給は30万円程度もらえますので待遇は良いです。もちろん残業代も支給されます。

ただ、住宅手当等はつかないため、福利厚生がしっかりしている大手企業とどっこいといったところでしょうか。

初めての繁忙期

私は一般的な試験合格者が採用される定期採用で2月入社でしたが、入社時研修自体は1月の下旬からスタートし、約1ヶ月後に現場へ配属されました。監査法人の繁忙期は3月決算の会社の締め後、およそ2ヶ月間となるため4月〜5月が1年間で最も忙しい時期となります。

繁忙期期間中は土曜日も出勤日となり、GWも休み返上で働く、というのを聞いていたため配属されてから4月を迎えるまでは結構ソワソワしてましたね。。

1年目の私は上場のクライアント含め、6社を担当しており、繁忙期1社目のクライアントでは現金預金、固定資産、その他投資等のBS科目を担当することとなりました。

主な業務としては銀行確認状を回収して会社の預金帳簿と突き合わせたり、固定資産の台帳を用いて減価償却費の期待値計算を行う他、先輩から頼まれたデータの加工やコピー取り等でした。

終電まで働く日が続くのではないかと怯えていましたが、繁忙期が始まってみると定時付近で先輩が進捗を確認してくれ、急ぎの仕事がなければ帰っても良いとのことだったので、朝9時過ぎに出勤して、20時頃には帰ることが出来ていましたね。

繁忙期中にも関わらず、監査がひと段落したタイミングで「中打ち上げに行こう」と言い出す先輩もいて、思っていた繁忙期と違うなあと安心した記憶がありますが、新人に任せられる仕事がそれほどなかったため、早く帰れていただけでした。笑

また、チームによっては新人の頃から終電(場合によっては徹夜をしている新人もいる)まで働いている人もいるので、1年目の繁忙期はチーム次第なところがありますね。

私も2年目以降はこの年の繁忙期が嘘のように忙しくなりました。

5月に入るとさらに落ち着いていく繁忙期

運よく新人にはそれほど残業をさせないチームで4月の繁忙期を過ごせた私は、GWも出勤することなく、5月を迎えました。3月決算の上場会社の監査はGW明けには終わることが多いため、GW以降は非上場の会社法監査・任意監査がメインとなります。

私の場合は1週間ごとに担当クライアントが変わる形で5月の担当社数は4社でした。

担当する科目は現金預金、固定資産、純資産や販管費等、新人会計士がよく担当する科目ばかりでしたね。非上場のクライアントになると業務のボリュームも少なくなるため、19時前には帰れるようになっていました。

何度か経験している科目だと調書の作り方もわかってくるので、少し経理担当者に突っ込んだ質問でもしてみようかとも思ってきます。

(新人のうちは、会社の経理担当者に聞く前に必ずチームの担当者に聞いてくれと指導されることが多いです)

ある日、チームの先輩が他クライアントの対応のため私一人で現場に出向いて販管費の検討をしていたところ、サンプルに海外の出張旅費が当たったため、請求書を確認したのですが、百万円を超える高額なものであることに驚いてしまい、請求書を持ってきてくださった経理の方に質問をしてみました。

私:「あの、すみません、この航空券ってファーストクラスなんですかね?」
経理担当者:「そこまで知りませんよ。(なんでそんなこと聞いてくるんだ、この人・・・)」
私:「そうですよね、ありがとうございます!(汗)」

金額からすればおそらくビジネスクラスであったのではないかと思いますが、会社の役職者であれば海外出張にビジネスクラスを利用することは珍しいことではありません。

ただ、当時の私は航空券の価格帯に無知であり、「会社のお金でファーストクラスに乗っていいの(←ファーストではない)!?」と謎の懐疑心を発揮してしまいました・・・

会社の方もお忙しいのにさぞ迷惑だったと思います、、すみません。。

新人会計士の方は会社の方に確認する前に、一呼吸置いて本当に必要な質問なのかをよく考えてから聞いてみるようにしましょう!

繁忙期には飲みに行ける?

5月も中旬も過ぎると繁忙感は落ち着いてきますし、新人会計士は補修所が再開するので早く帰れる日が出てきます。

会計士試験に合格した後は、3年間「補修所」というところで授業を受ける必要があるのですが、新人のうちは週に1〜2回、18時から設定されていることが多いです。

補修所の授業をきちんと受けなければ公認会計士にはなれませんので、授業の日は早く帰らせてもらえる、というわけです。

「仕事も落ち着いてきたしそろそろ同期と飲みにでも行きたいなあ」と思っていたとある5月の金曜日、監査先から事務所に戻った私は同期を見つけたので、飲みに行けそうか聞いたところ、同期の繁忙期も落ち着いたようで行けるとのこと。

チームの先輩のところに戻り、残りの仕事を聞くと、監査結果の纏め資料作成を手伝って欲しいと言われた私。

監査現場から帰ってきたので片付けをして終わりかなと思っていたのですが、まだ少し仕事がありそうな気配。完全に仕事を終えた同期数人で先に飲み行っておいてもらうことにしました。

その後、21時を過ぎても、チームの先輩方は帰る気配がなく、次々と仕事が降ってくる。。。

22時を過ぎると流石に先に飲んでいる同期から何度も着信がかかってくるが、まだまだ終わらず。

23時を過ぎ、ようやく私にできる仕事が無くなってきて、同期からかかってきている電話に気づいた上司から「もしかして飲み会?そしたら今日はもう上がっていいよ。」と声をかけていただけたので、先に失礼してようやく同期の元へ。

着いた頃にはすでに終電も近く、店から出てきたところだったので土下座して謝り、そのまま朝まで飲みに行きました。笑

監査の現場最終日はパートナーレビューに向けた準備や結論調書、報告会資料の作成等で非常にバタつくことを知らなかった私はてっきり飲みにいく余裕があるものだと思ってました。

新人の内は早く帰れる日ももちろんあるのですが、予想だにせず深夜残業になる日もありますので、飲み行くのは土日にするか、事前に先輩にお伺いを立てておくことをオススメします!

作業が立て込まない日であることが事前に確認できればたまには飲みに行くことは出来ますよ!

6月には繁忙期終了!調書登録を終えれば夏休みへ

6月になると繁忙期は完全に終了して、監査現場へ行くことは極端に少なくなり、定時まで事務所で作業をしたり、E-learningを受講したりと穏やかな日々になります。

ただ、繁忙期を終えた新人には各チームから「調書登録」という非常に重いタスクが降ってきます。

「調書登録」というのは簡単に言うと「監査チームで作成した監査調書を整理して、事務所内の手続きを経て正式版として登録する」作業のことです。

一言で言ってしまうとそれほど難しい作業には聞こえませんが、登録に当たって必要な書類や会計士協会に提出する報告書を作成したり、最終的に登録する調書とそうでない調書を選別したりとかなり複雑な作業です。

新人では判断がつかないことも多いので、その度に先輩や上司に確認しながら進める必要がある上、登録期限もあるため、深夜まで事務所で作業する日もあり、瞬間的に繁忙期を上回る忙しさがありました。私の場合、調書登録に追われていた6月が一番残業時間が多かったような記憶があります。笑

調書登録を乗り越えれば、7月の四半期レビューで多少残業はあるものの、8月に入ると完全に仕事が落ち着き、2週間の長い夏休みに入ります。夏休み前には新人に振られる仕事はあまりないので、定時までE-learningを受講して、飲みに行くような時もありましたね。

まとめ

如何でしたでしょうか。

監査法人の繁忙期と聞くと毎日終電、土日も仕事、と言うイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、私の新人時代に限ってはそんなことは全くありませんでした。

ただ、新人と言っても配属先のチームによって繁忙感は全く異なりますし、私の新人時代は某有名企業の不正会計事件の前でしたので、監査品質の向上が求められている近年に比べ、やるべきことが少なかったように思います。

また、当時はリモートワークが一切無かったので、現場にいる先輩に「もう帰ってもいいよ」と声をかけてもらえていたことも大きかったと思います。

リモートワークが始まってからはPCの自動シャットダウンギリギリまでオンラインになっている新人スタッフも結構いたので、「いつ仕事を切り上げて良いのかわからない」と言う新人さんも多いんじゃないかな。

新人時代の繁忙期をまとめると、こんな感じです。

・4月の繁忙期は大体20時(どんなに遅くても21時)には帰れていた

・5月に入ると19時前に帰れることが多く、残業なしの日もあった

・5月になれば飲み行ける日もあるが、急に忙しくなる日もあるので注意

・6月の調書登録シーズンの方が残業が増え、深夜まで事務所で作業する日もあった

・夏休み前には一気に仕事量が減り、毎日定時で帰れる

これだけみると監査法人って全然忙しくないじゃないか、と思われる方もいると思いますが、私も1年目の夏休み以降から徐々に忙しくなり、スタッフ2年目にはれっきとした社畜となっていました。笑

新人の繁忙期以降のエピソードは次回の記事で書いていく予定です。

気になることがあればいつでもお問い合わせください。個別のご質問については質問箱(https://peing.net/ja/kaikei_sodan)までよろしくお願いします!

それでは、さようなら。

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