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【わかりやすく】税務署に提出する届出書〜どんな場合に何を提出すべき?

税務

みなさん、こんにちは。

今回は税務署等へ提出する届出書について解説をしていきます。

法人税、消費税等の国税は税務署が、地方税等については都税事務所や各都道府県の県税事務所が管轄となっています。

会社を設立した場合や会社の重要事項に変更が生じた場合、申告・納税に関して必要な情報を共有するため、税務署や各県税事務所に届出書を提出する必要があります。

どんな時にどのような書類をどこに提出すべきか、わかりやすく解説していこうと思いますのでぜひチェックしてみて下さい。

前回の記事では外形標準課税について解説しておりますので、よろしければこちらもどうぞ。

会社設立時に必要な届出書(国税関連)

国税関連で会社設立時に必要な届出書は主に以下となります。

なお、国税の場合は届出書の提出先は基本的に「税務署」となります。

(1)法人設立届出書

法人設立届出書は国税に関して法人設立の内容を届け出る書類となっています。事業の目的や事業年度、支店の所在地等の法人の基本情報について届け出ます。

・提出先:納税地の税務署
・提出期限:設立の日以後2ヶ月以内
・添付書類:定款、寄付行為、規則または規約等の写し

(2)給与支払事務所等の開設届出書

会社が設立に伴い給与の支払いを始めて納税義務者となる場合、給与支払事務所等の開設届出書を提出する必要があります。

・提出先:給与を支払う事務所を管轄する税務署
・提出期限:給与支払事務所等を開設してから1ヶ月以内

(3)消費税関連の届出書

消費税の新設法人に該当することとなった場合には「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」の提出が必要となりますが、(1)の法人設立届出書に所定の記載事項を記載して提出した場合には提出が不要となります。

なお、消費税については様々な事由の発生に応じて届出が必要な書類が定められています。

(参考:国税庁ホームページ)

No.6629 消費税の各種届出書|国税庁

基準期間の課税売上高が変動した場合や簡易課税制度の選択を変更した時、課税事業者と免税事業者の区分変更した場合等、届出が必要な項目が多くありますのできちんと確認して届出漏れが内容に留意しましょう。

(4)申告期限の延長の特例の申請

法人税と消費税は申請を行うことで申告期限を1ヶ月延長することが可能です。

延長を行いたい事業年度の末日までに提出を行えば申告の延長が可能(3月決算の会社であれば5月末日の申告期限を6月末日にできます)ですが、会社設立のタイミングで他の届出と一緒に提出しておけば漏れがないと思います。

・提出先:納税地の税務署
・提出期限:最初に適用を受けようとする事業年度の終了の日まで(通算法人の場合、最初に適用を受けようとする事業年度終了の日から45日以内)
・添付書類:定款、寄附行為、規則又は規約の写し

(5)青色申告の承認申請書(必要に応じて)

設立初年度から青色申告の承認を受ける場合、設立の日以後3ヶ月を経過した日と設立初年度の事業終了の日のうちいずれか早い日の前日までに届出が必要となります。

(6)棚卸資産の評価方法の届出書(必要に応じて)

会社設立時には適用する棚卸資産の評価方法を届け出る必要があります。この届出書を提出しない場合には自動的に「最終仕入原価法」が適用されますので、「最終仕入原価法」以外の方法により棚卸資産の評価を行う場合には忘れずに提出しましょう。

・提出期限:設立初年度の確定申告の提出期限

(7)減価償却資産の償却方法の届出書(必要に応じて)

会社設立時には適用する減価償却の方法を届け出る必要があります。この届出書を提出しない場合には自動的に「定率法」を選択したものとみなされます。提出することで税金が有利になることもありますので、忘れずに提出しましょう。

・提出期限:設立初年度の確定申告の提出期限

(8)有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書(必要に応じて)

有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法についても届出の対象となります。この届出書を提出しない場合には自動的に「移動平均法」を選択したものとみなされますが、有価証券の売買が頻繁に発生する場合、かなり煩雑な方法となります。実務上は総平均法を選択すると負担が軽減されますので、総平均法を採用したい場合には忘れずに提出しましょう。

・提出期限:有価証券を取得した日の属する事業年度の確定申告の提出期限

会社設立時に必要な届出書(地方税関連)

続いて地方税関連で必要な届出書を確認していきましょう。

地方税に関しても、法人設立設置届出書を提出する必要があります。

国税関連の届出書については税務署へ提出を行いますが、都道府県民税・市町村民税といった地方税については各自治体への提出が必要となります。

設立届を税務署に提出したから大丈夫と安心せず、地方税に関する届出も忘れずに行いましょう。

・都道府県民税関連の届出:各都道府県税事務所へ提出
・市町村民税関連の届出:各市町村へ提出

なお、東京都23区の場合、法人の市町村民税は都税となるため、所管の都税事務所へのみ届出を提出すればOKです。

異動届の提出が必要な場合と提出先

会社設立後、本店所在地を異動したり、支店を設置したりした場合には異動届の提出が必要となります。

異動届を提出する場合にも国税と地方税に関してそれぞれ提出が必要となりますので、基本的には下記の3箇所(東京都23区の場合は2箇所)へ提出を行います。

■納税地の税務署
■所管の都道府県税事務所(支店が複数あれば全支店分、提出が必要です)
■所管の市町村(支店が複数あれば全支店分、提出が必要です)

異動届の提出が必要な事項は主に以下となります。

①事業年度の変更
②納税地等の異動
③資本金額等の異動
④商号又は名称の変更
⑤代表者の変更
⑥事業目的の変更
⑦会社の合併
⑧会社の分割による事業の譲渡若しくは譲受け
⑨法人区分の変更
⑩支店・工場等の異動

異動届の提出にあたっては、記載内容を確認することができる定款や登記簿謄本、合併契約書や分割計画書の添付が必要となります。

必要な書類については各自治体によって異なる場合もございますので、事前に自治体のホームページ等で確認しておくといいと思います。

その他(税制改正関連の届出)

会社設立時や異動事由が発生した場合の基本的な届出については前述の通りですが、税務では他にも様々な届出が必要となるケースがあります。

(1)グループ通算制度に関する届出

令和4年4月1日開始事業年度より、グループ通算制度が開始されます。グループ通算制度に関しては主に以下の届出・申請が必要とされます。

①グループ通算制度の承認の申請
②完全支配関係を有することとなった旨を記載した書類及びグループ通算制度への加入時期の特例を適用する旨を記載した書類
③通算完全支配関係等を有しなくなった旨を記載した書類
④グループ通算制度の取りやめの承認の申請
⑤グループ通算制度へ移行しない旨の届出

グループ通算制度への移行や加入、離脱等を行う場合に税務署への届出が必要となりますので該当する場合には提出漏れがないように留意しましょう。

(2)e-Taxによる申告の特例に係る届出(電子申告義務化の届出)

電子申告が義務化されている大法人等ではe-Taxによる申告の特例に係る届出を提出する必要がありますが、グループ通算制度の開始に伴い、グループ通算制度適用の子法人の電子申告が義務化されます。

提出先:所轄税務署長
提出期限:グループ通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始の日から1ヵ月以内

グループ通算制度は2022年4月1日以後に開始する事業年度から適用されるため、3月決算の会社であれば2022年の4月末までに提出する必要があります。

(3)適格請求書発行事業者の登録申請書

2023年10月1日からインボイス制度が開始されますが、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、「適格請求書発行事業者の登録申請書」の提出が必要となります。

提出先:所轄税務署長
提出期限:2023年3月31日まで

決算期に関わらず、提出期限は2023年3月末となりますので早めに提出しておくようにしましょう。

まとめ

如何でしたでしょうか。

税務署へ提出する届出書は様々な種類があり、きちんと届出を出さないと税務上不利となってしまうケースもありますので、税理士の先生に細かく確認して提出漏れがないようにしましょう。

個別のご質問があれば質問箱(https://peing.net/ja/kaikei_sodan)までよろしくお願いします!

それでは、さようなら。

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