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【わかりやすい】有価証券報告書の読み方について解説② 前半部分(前半の後半)について解説

会計

今回も有価証券報告書の読み方について解説していきたいと思います。

有価証券報告書は、上場会社が年に1回、会社の業績や従業員の情報などの幅広い情報を開示しているものとなります。そのため、有価証券報告書に記載されている内容を理解することができれば、その会社に対して深く知ることができるのです。

そんな有価証券報告書について、構成やどういった情報が記載されているか解説を行なっていきたいと思います。

今回は前回の続きである、前半部分の後半、【設備の状況】〜【提出会社の状況】について解説したいと思います。前回の記事をまだ見ていない方はそちらからご確認ください。

【設備の状況】実例

前回の続きとなりますが、有価証券報告書の前半部分(前半の後半)である【設備の状況】についてみていきましょう。
今回も「日本テレビ放送網(日テレ)」の持株会社(親会社)である「日本テレビホールディングス」の2021年3月期の有価証券報告書を基に解説していきます。

■ 【設備の状況】の実例
【設備の状況】は、設備投資の概要や、主要な設備の状況、設備投資(除却)計画について記載されている箇所となります。

・「設備投資等の概要」

ここでは、項目名の通り、当事業年度に実施した設備投資の概要を記載しています。財務諸表の固定資産額を見ても、何に投資を行なったのかはわからないため、ここにて主要な設備投資の内容を記載しています。
2021年3月期の投資総額は132億円となっています。汐留本社の設備更新のほか、ティップネスの新規の出店について記載されています。

・「主要な設備の状況」

ここでは、主要な設備の状況が記載されています。先程は、1年間における設備投資の状況(何の固定資産を取得したのか)についての記載でしたが、ここでは保有している主な固定資産の内容を記載している箇所となっています。

持株会社である「日本テレビホールディングス」は、本社の土地を有していることがわかります。単体の貸借対照表を見ても有形固定資産は土地のみですね。
また、子会社である「日本テレビ放送網(日テレ)」は、汐留本社の建物及び各地のスタジオなどが記載されています。ティップネスについても60億円の建物等が計上されていることがわかります。

・「設備の新設、除却等の計画」

ここでは、今後行う(又は既に一部行なっている)設備投資の計画について記載する箇所となります。
今後行う設備投資の内容や金額、またその資金の調達方法(自己資金なのか借入なのか)、時期について記載されています。

【提出会社の状況】実例

■ 【提出会社の状況】
【提出会社の状況】は、株式等の状況、自己株式の取得等の状況、配当政策、コーポレートガバナンスの状況について記載されている箇所となります。

・「株式等の状況」

ここでは、発行済株式の状況や大株主の状況など、株式についての情報が記載されています。
筆頭株主は、読売新聞グループとなっていますね。また帝京大学が非常に多くの株式を持っていることも初めて知りました・・・。

・「自己株式の取得等の状況」

自己株式とは、株式会社が発行する株式のうち、自社で取得した上で保有している株式のことです。
自己株式を取得することは、他の株主が持っている比率に影響が出ることから自己株式の取得の状況について記載することとされています。

・「配当政策」

株主に対し、分配される現金配当のことを配当金といい、その配当の方針のことを「配当政策」といいます。
株主は保有している株に対し、どれくらいの配当を得ることができるのかがここで確認することができます。ちなみに筆頭株主である読売新聞グループは、37百万株保有しているため、2020年度は、中間と合わせて約13億円もの配当金を得ていることがこの記載によってわかります。

・「コーポレート・ガバナンスの状況等」
コーポレート・ガバナンスの状況についての記載は、非常にボリュームの多い箇所となっています。

そもそもコーポレート・ガバナンスとは「企業統治」を意味する言葉で、ここでは、会社の所有者である株主の利益を害されないような組織体制となっているか(経営者による暴走を止める機関設計となっているか)について記載している箇所となっています。

そのため、組織の機関設計や、リスク管理体制、役員の状況、社外役員の状況、監査、会計監査の状況、役員の報酬等幅広く記載されています。

役員の報酬についても記載されています。役員8名に対し、報酬総額3億8千万となっていますので、一人当たり約5千万円ほどもらっていることがわかりますね(あくまで推定ですが)。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は有価証券報告書の記載のうち、前半部分(前半の後半)の読み方について解説しました。

次の記事では、ついに決算書である財務諸表部分(後半)について解説しようと思います。

個別のご質問についてはコメント欄、質問箱(https://peing.net/ja/kaikei_sodan)までよろしくお願いします!

ではでは!

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