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【わかりやすく】組織再編会計について⑥〜事業分離の会計処理

会計

皆さん、こんにちは
今回は組織再編会計の「事業分離」の処理について、わかりやすく解説していきたいと思います。

「事業分離」はなかなか聞き慣れない言葉かもしれませんが、「取得」などの「企業結合」とは異なる別の視点が必要となるため、気になるという方は是非チェックしてみてください。

「事業分離」までマスターできれば組織再編会計について一通り網羅したことになります。
組織再編①から6回に分けて解説してきましたが、あと1回ですので最後まで見ていただけると嬉しいです。

前回の記事はこちらよりチェックしてみてください。

事業分離とは

「事業分離」とは

「事業分離」とは、ある企業を構成する事業を他の企業(新設される企業を含む)に移転すること

事業分離は、「会社分割」や「事業譲渡」、「現物出資」等の形式をとり、分離元企業が、その事業を分離先企業に移転し対価を受け取るものである。

分離元企業事業分離において、当該企業を構成する事業を移転する企業
分離先企業事業分離において、分離元企業からその事業を受け入れる企業(新設される企業を含む)

事業分離の会計処理

(1)投資の継続・清算と対価の種類
分離元企業の移転した事業に係る投資が継続しているとみるのか、清算されたとみるのかは、その事業を分離先企業に移転したことにより受け取った対価の種類が判断基準となります。

投資が継続
しているとみる場合
子会社株式や関連会社株式となる分離先企業の株式のみを対価として受け取る場合
投資が清算
されたとみる場合
現金など移転した事業と明らかに異なる資産を対価として受け取る場合

(2)投資の継続・清算と分離元企業の会計処理

投資が継続
しているとみる場合
受取対価の取得原価:移転した事業に係る株主資本等相当額
移転損益:認識しない
投資が清算
されたとみる場合
受取対価の取得原価:受取対価の時価
移転損益:認識する

(3)共通支配下の取引と事業分離の会計処理
子会社を分離先企業とする場合には、「共通支配下の取引」に該当するため、共通支配下の取引として処理します。

企業集団内を移転する資産及び負債移転直前に移転元において付されていた適正な帳簿価額により計上
対価として取得する株式移転された資産及び負債の適正な帳簿価額に基づいて計上

事業分離 対価が現金等のみの場合

■ 分離元企業の会計処理

・個別財務諸表上

・連結財務諸表上

■ 分離先企業の個別財務諸表上の会計処理

事業分離 対価が株式のみの場合

■ 分離元企業の会計処理

・個別財務諸表上

・連結財務諸表上

連結財務諸表上の処理として、事業分離を以下の2つの処理に分解します。

・分離先企業の株式の取得
・分離先企業に対する事業の移転

・分離先企業の株式の取得 →分離先企業に係るのれんの計上

のれん
= 分離先企業に対して投資したとみなされる額 ー 対応する分離先企業の事業分離直前の資本

・分離先企業に対する事業の移転 →移転事業に係る持分変動損益の認識

持分変動損益

= 分離元企業の事業が移転されたとみなされる額 ー 移転した事業に係る分離元企業の持分の減少額

■ 分離先企業の個別財務諸表上の会計処理

事業分離 対価が現金等と株式の場合

■ 分離元企業の会計処理

・個別財務諸表上

・連結財務諸表上

■ 分離先企業の個別財務諸表上の会計処理

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は事業分離について解説しました。

事業分離の会計処理は、その事業を分離先企業に移転したことにより受け取った対価の種類が判断基準となる点がポイントです。対価として何を受け取ったのか、投資が継続しているとみるのか、清算されたとみるのか、事業分離後の資本関係についてが処理の分かれ目となりますので、その点に着目して処理を行いましょう。

以下が本日のまとめです。

・事業分離」とは、ある企業を構成する事業を他の企業(新設される企業を含む)に移転すること

・分離元企業の移転した事業に係る投資が継続しているとみるのか、清算されたとみるのかは、その事業を分離先企業に移転したことにより受け取った対価の種類が判断基準となる

・子会社を分離先企業とする場合には、「共通支配下の取引」に該当するため、共通支配下の取引として処理を行う

個別のご質問についてはコメント欄、質問箱(https://peing.net/ja/kaikei_sodan)までよろしくお願いします!

ではでは!

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