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【わかりやすく】IPOについて①〜IPOのメリットとデメリットについて

IPO

IPOとは

IPOとは、「Initial Public Offering」の略で、株式上場を意味しています。

具体的に、IPOとはどのような意味を持つのか、日本取引所グループHPの用語集には以下の通り記載されています。

株式公開(IPO)(かぶしきこうかい)
IPO(Initial Public Offeringの略称。)ともいいます。株式会社がオーナーなど少数の株主により所有され、自由な株式譲渡が制限されている状態(未公開会社)から、金融商品取引所市場への上場によって不特定の多くの株主により所有され、株式市場において自由に売買が可能となる状態(公開会社)となることを株式公開といいます。

株式公開時においては、通常、新株を発行し、株式市場から新たな資金調達を行う「公募増資」や既存株主が保有株式を売却する「売出し」が行われます。

株式公開により資金調達の多様化が図れる他、知名度の向上や社会的信用の増大といった効果があります。その一方、不特定多数の投資家から資金調達を行うことから、業績など企業情報を開示する義務が生じます。

IPOにより、株式市場での資金調達が可能になるなどのメリットを受けられる一方で、その分、利害関係者(ステークホルダー)が増えることから様々な法令や規則等の遵守が企業には求められます。

IPOの実施により、”プライベートカンパニー”から”パブリックカンパニー”になるため、経営者(オーナー)は、今まで自分(オーナー)の所有物であった会社がパブリックなものになるという意識を持たなければなりません。

IPOのメリットとデメリット

IPO準備は、会社にとって非常に大変な労力を必要とします。そのため、経営者はIPOの検討にあたって、会社の今後の方向性やIPOをすることの目的を十分に検討する必要があります。

次に、IPOのメリットとデメリットについて解説を行っていきます。
IPOにおけるメリット、デメリットを考慮し、会社にとってIPOが必要なのか、IPOを行うことによって会社にとって良い方向となるのか検討する一助になればと思います。
次にあげるメリット、デメリットは一般的なものであり、会社によっては逆となることに十分留意してください。

【メリット】

株式の流通性向上・株価形成
会社の株式が金融商品取引所市場へ上場され、流通が確保されることにより、株式の換金性(≒流通性)が高まります。また証券取引所(金融商品取引所)の売買制度に基づき価格が決定されるため、公正な流通価格をタイムリーに把握できることとなります。
創業者の方にとっては、自分が保有している株式を換金できることとなるため、非常に大きなメリットとなります。
社会的信用力・知名度の向上
上場基準を満たすためには、様々な法令や規則(金融商品取引法に基づく、適時開示や内部統制の構築など)を遵守し続けなければならず、上場をしている=様々な法令や規則を遵守している会社という目で見られることとなります。そのため、IPOを実施することにより社会的信用力が向上するといえるでしょう。
資金調達の多様化・財務基盤の強化
会社の株式が金融商品取引所市場へ上場され、流通が確保されることにより投資者の範囲が拡大し、株式資本調達(直接金融・エクイティファイナンス)による資金調達手段の多様化、財務基盤の強化につながります。株式資本調達を実施できない会社は、銀行借入(間接金融・デットファイナンス)に頼らざるを得ません。資金調達の多様化は、会社を長期に経営していく上で重要な要素となります。
役員・従業員のモチベーション向上
役員・従業員にとって、自分が所属している会社が上場企業であることは、個人の信用力の向上にもつながり、大きなモチベーションアップとなります(上場企業でなければ信用力がないというわけではありません)。
経営管理体制の充実
上述しましたが、上場基準を満たすためには、様々な法令や規則を遵守し続けなければならず、そのためには経営管理体制の充実がマストとなります。経営管理体制の充実は、コストの増大に目が行きがちですが、会社の健全な経営を図る上では必要なことであり、結果として、会社運営の助けとなるものとなります。

【デメリット】

経営者の責任、会社の社会的責任の増大
会社の株式が金融商品取引所市場へ上場され、流通が確保されることにより投資者の範囲が拡大し、様々なステークホルダーとの関係から経営者、会社の社会的責任が増大することとなります。
会社で何か問題があった場合には、取引先、従業員、株主など非常に多くのステークホルダーに影響を与えてしまうことに留意する必要があります。
株主への対応
会社の株式が金融商品取引所市場へ上場され、投資者の範囲が拡大されることで、株主数が不特定多数となり、数も大幅に増加します。株主は会社の出資者であり、会社の経営、業績を注視し、会社の経営に口出し、利益還元を求めることとなります。経営者には、会社の事業計画を達成するプレッシャーがかかってきます。さらに、株主総会の開催コスト(招集通知、事業報告・計算書類の印刷、郵送費など)などが発生することとなります。
管理コストの増大
IPOのメリットにて、経営管理体制の充実を記載しましたが、上場基準を満たすための様々な法令や規則を遵守するためには管理コストが増大します。具体的には、開示書類(年に1回提出する有価証券報告書、内部統制報告書、四半期ごとに提出する四半期報告書)を作成するための人件費や監査非費用(開示書類を監査してもらうためのコスト)等が発生します。金商法の監査報酬は、会社の状況、監査法人によって差がありますが、連結なしで平均2,000万円/年、連結ありで平均5,000万円/年程度となっています。
経営意思決定の迅速性、自由度の制約
IPOの実施により、”プライベートカンパニー”から”パブリックカンパニー”になるため、経営者(オーナー)の権限で全てを決めることはできません。経営者(オーナー)が好きにできないよう、取締役会、監査役会の設置などの組織づくりが求められます。また内部統制の構築が求められ、経営意思決定の迅速性は一般的に失われることになるでしょう。
敵対的買収リスク
会社の株式が金融商品取引所市場へ上場され、流投資者の範囲が拡大されることで不特定多数の株主が自由に株式を売買することができることから、常に買収されるリスクが伴います。特に浮動株比率が高い場合で、株式市場での流通価格が買収者が考える企業価値を大きく下回っている場合にはこのリスクが高くなるため、持株比率や時価総額を引き上げるための策を講じる必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

IPO準備は、会社にとって大変な労力を必要とします。IPOの表向きな良い面だけにとらわれず、社会的責任や株主への対応などのIPOの大変な部分にも目を向けた上で、本当に会社にとってIPOが必要なのかを十分に検討した上で準備しましょう。

個別のご質問については質問箱(https://peing.net/ja/kaikei_sodan)までよろしくお願いします!

ではでは。

前回の記事についても是非チェックしてみてください。

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